2009年1月3日
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
しかし世界は「おめでとう」という言葉を口に出すのもはばかられるような状況です。
イスラエルの空爆でガザ地区では350人を超える死者が出ています。この戦闘が始まる前に、イスラム原理組織ハマスが停戦協定を延長せず、イスラエルにカッサム・ミサイルを多数撃ち込んだという事実があったとはいえ、イスラエル軍の攻撃はやはり激烈です。
一刻も早く戦火がやむことを祈っていますが、イスラエルに何度か行ってパレスチナ人とイスラエル人の間の憎悪の激しさ(対話どころではない)を知っているので、紛争は簡単には収まらないという気がします。
国際経済に目を向けても、米国のサブプライム・ローン危機によるグローバルな不況は今後悪化しそうです。 ドイツでは多くの州立銀行が倒産寸前の状態に追い込まれ、公的資金が湯水のように注入されています。
2009年のドイツの経済成長率はマイナス2%から3%になると予想されています。これは戦後最悪の不況です。これまで最もひどかった1975年の不況でもマイナス成長率は0・8%でしたから、今回の不況がいかにひどいかがわかります。
ドイツ経済の重要な柱である自動車産業は、すでにクリスマスの前から生産ラインをストップさせており、2009年には雇用削減が始まるでしょう。
私は1990年にミュンヘンに来てからドイツについて9冊の本を書きましたが、2009年には10冊目の本を刊行する予定です。
2009年がみなさまにとって良い年となりますことを、心からお祈りいたします。
お元気でお過ごし下さい。